建築模型の種類
建築模型は用途別に分類すると、スタディ模型とプレゼンテーション模型とに大別出来ます。
●スタディ模型
設計の途中段階でその都度設計案を確認したり、問題点を明らかにする為に作られる模型です。
●プレゼンテーション模型
設計案がまとまった段階や建築が竣工した場合に作られる模型です。
主に建築主(クライアント)への設計内容を説明するのに用いられることが多いですが、公共
建築のエントランスホールに展示してある模型のように、広く大衆に建築物の概要を周知する
事を目的に作られる事もあります。
◆外観模型: 建物のボリューム、形を考える為に用いられる模型
主に建物のイメージを検討する事を目的に作られる模型で、住宅やビル、マンション、店舗など様々な
ものがあります。
■ ボリューム模型
建築的なディティールを消した模型。建物のボリュームを、現実的なスケール感で検討します。
■ コンセプト模型
建物を建てる時の基本的な考え、概念、観念、建物のあり方などを伝える為の模型。
■ 全体模型
建物全体と当該敷地を含めた模型。建物と、それに付随する庭、アプローチ、駐車場などの関係を検討
します。
◆ 配置模型: 敷地利用を考える為の模型
建築基準法で制限された壁面後退や斜線、建ぺい率などを規制の範囲内におさめるために、敷地の高低
差や道路との関係、眺望性など、建物が周辺環境に対してどのような配置関係にあるかを検討する為に
作られる建築模型の事で敷地模型とも言われます。1/500〜1/200のスケールで作られます。
◆間取り模型: 建物の使い方、見え方を考える為の模型
部屋の広さや家具、窓の位置関係をわかりやすく確認出来る模型で住宅の設計段階で建築士が建主に構
造を説明するツールとして用いられます。1/100〜1/20のスケールで作られます。
◆ 環境模型:区画、空間の使われ方を見る模型
プロジェクトが組まれるなど、大きな建築を行う前に、建物と地域周辺の関係を鳥瞰的に見る為の模型
です。自然の中に建物がある場合は、自然地形と樹木などを配し、都市では市街地を模型化します。
◆都市模型:区画、空間の使われ方を見る模型
都市部の住宅区画や学校、再開発地区などを模型化したもので、公園や緑地、道路、鉄道などと建築群
が作り出す空間の関係を表現したものです。1/1000〜1/500のスケールで作られます。
◆部分模型:室内空間やそのディテールを確認する為の模型
室内やそのディテールを、実物大から1/20縮尺ぐらいまでで模型化したものです。家具やインテリアの
素材感まで求められる事もあります。
◆タウンハウス模型:集合住宅地の棟間の関係などをチェックする為の模型
一戸建て住宅とタウンハウスを比較し、タウンハウスの有効性(敷地・庭・共有地など)を確認出来る
ように、1/300〜1/100のスケールで作られます。
◆インテリア模型
部屋の間取りから空間の使い方、家具の位置などを模型で表現したものです。場合によっては家具を
作ったり、床や壁の材質を実際のものに近い表現が求められます。